2026年7月22日
テレワークになってから、ランチが徒歩1分のコンビニで完結する
12時になっても、席を立つ理由がありません。デスクの隣がそのままキッチンなので、椅子を数十センチ動かすだけで昼ごはんの支度が始まります。
オフィスに通っていた頃は、昼休みに外へ出るのが当たり前でした。今は、部屋着のままコンビニに寄るのがせいぜいで、店に入って席について何かを注文するという選択肢は、そもそも頭に浮かびすらしません。
画面の前から一歩も動かずに午前の会議を終え、そのまま昼休みに入ります。移動がないぶん時間には余裕があるはずなのに、その余裕を使って知らない店を探しに行こうという発想には、なぜか一度もたどり着きません。
通勤という強制力がなくなると、外食は特別枠に落ちる
考えてみると、オフィス勤務のランチは半分くらい通勤の副産物でした。すでに着替えていて、すでに家の外にいて、すでに移動している。その延長で店に入るのは、追加の労力がほとんどいらない行動だったんです。
テレワークではこの前提が丸ごと消えます。着替えて、鍵を持って、玄関を出る。この一連の動作が、以前は無料でついてきたおまけだったのに、今はランチのためだけに新しく発生させないといけないコストになりました。結果として外食は、何か理由がある日だけの特別なイベントに格上げされ、何もない平日は今日も台所かデスクで完結します。
面白いのは、外に食べに行くこと自体は嫌いじゃないという点です。取引先とのランチや、たまたま外出した日のついでの一軒は、むしろ楽しみにしています。問題は「特に理由もないのに、自分から動く」という一段階が、テレワークの生活からごっそり抜け落ちていることにあります。
半径200メートルの外に、知らない店がある
気づけば、家からいちばん近いコンビニと自炊だけで一か月が終わっていることがあります。誰かに迷惑をかけているわけでもないし、栄養バランスが崩れているわけでもありません。ただ、知らない店の暖簾をくぐるという経験だけが、静かにゼロのまま積み上がっていきます。
ベランダから見える景色の中に、まだ入ったことのない定食屋や、開店したばかりのカフェがあるのはわかっています。わかっているのに、それを確かめに行くだけの理由が、部屋の中からは湧いてきません。
月末に振り返ってみると、今月も同じコンビニのおにぎりと、同じスーパーの惣菜だけで食事が完結していたことに気づきます。悪い一か月だったわけではないのに、どこにも「初めての店に入った」という記憶がありません。カレンダーは埋まっているのに、行動範囲だけがまっさらなままです。
外に出る理由は、自分で作らなくてもいい
通勤が理由を作ってくれなくなったなら、代わりの理由をどこかから持ってくればいい。そう考えて、現在地周辺のお店をランダムに提案するRoambleというアプリを作りました。ボタンひとつで営業中のお店が3件出てきて、気になった一軒を選ぶと、それが今日の行き先になります。訪問を記録するとXPが貯まり、レベルが上がって、バッジも増えていきます。
テレワークの一日に、外に出る用事をひとつだけ差し込んでみる。今日のランチは、部屋着のままコンビニに向かう前に、少しだけ遠回りしてみませんか。